食事療法・運動療法とは?
食事療法
糖尿病の最も効果的で重要な治療方法です。適切な分量の食事で、必要とする栄養を摂取できるようにコントロールすることで糖尿病を改善することが可能です。必ず医師の指導の下、バランスの良い食生活を送りましょう。
運動療法
食事療法と同様、糖尿病の基本となる治療方法です。運動によってブドウ糖や脂肪酸の体内での利用を促進させ、血糖値の低下を行います。但し、合併症や薬剤で治療している場合は運動が制限されることもあります。
食事療法って?
食事療法は、糖尿病治療の基本です。
糖尿病は、すい臓からのインスリンの分泌や働きが悪くなったり、インスリンをつくりだす細胞が壊れてインスリンが分泌できなくなる病気です。食事からとったブドウ糖が、インスリンが減ったり、働きが悪くなったために体内でうまく利用できなくなり、血液中にブドウ糖がたまって高血糖が起こるのです。高血糖をそのままほうってほくと、体にさまざまな異常や合併症が起こります。
そこで、インスリンの分泌や働きが弱くなっている人は、食事として体内に入ってくるブドウ糖の量を制限する食事療法を行うことで、弱っているすい臓の負担を軽くして、すい臓の機能を回復させます。インスリンが分泌できなくなっている人は、体の外からインスリンの補給をしますので、補給の調節をしやすくするために食事療法を行います。
カロリーの摂取基準
食事療法の基本的な考え方は、必要以上のカロリーをとらないようにし、すい臓の負担を軽くして働きを回復させたり、インスリンの補給による血糖コントロールを行いやすくすることです。
そのため、適切なカロリーの範囲内で、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよくとることが大切です。
ただ、現実としてバランスのいい食事ができる環境にない、実現が難しいといったことも多くあるかかと思います。
「お昼はコンビニ弁当しか無理」
といった場合でも最大限できることをアドバイスさせていただきます。
当院ではそういった個人個人への指導も食事療法では行っていきます。
エネルギー摂取量
1日に必要なエネルギー摂取量は
下の方程式で出せます。
エネルギー摂取量
=
標準体重※1
×
身体活動量※2
運動療法って?
糖尿病の発症には肥満、過食、運動不足が関わっていることが多く、運動によりエネルギーを消費して、肥満を解消 ・抑制します。さらに運動を毎日続けていると筋肉の活動量が上がることで、悪かったインスリンの働きも改善します。さらに食後1時間頃に運動をすると、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促されて血糖値が下がるという効果もあります。
運動療法のポイント
運動は高血糖を改善して合併症の予防にも役立ちます。
しかし、普段から運動に親しんでいない方や、高齢者の方など急激な運動や過度な負荷がかかる運動は体の負担になってしまいます。
例えば、「通勤の駅を1つ手前の駅で降りてみる」「エレベーター・エスカレーターをできるだけ使わずに階段を利用する」などもひとつの運動の方法です。
当院では患者様一人一人に合った運動習慣を提案しています。